コーシーは、フランスの数学者で、論理的に厳密な方法で微積分を展開した偉大な数学者です。
コーシーは、それまでの解析学での曖昧さを排除し、初めて微積分学の中に厳密姓を取り入れました。
皆さんが大学1年生で習うイプシロン-デルタ論法(ε-δ論法)のアイディアはコーシーによるものです。
この「ε-δ論法」により、解析学(微積分)全般の厳密な形式化が進行し、近代数学の基礎が築かれました。大学生になり「ε-δ論法」を習うときにはこの記事のことを思い出してみてください。
コーシーは、数Ⅲで習う「複素数平面」での積分やその応用の留数計算などの基本概念も編み出しました。
高校で習う「コーシー・シュワルツの不等式」や、大学1年生の数学で習う「コーシーの収束判定法」、その他に「コーシーの積分定理」「コーシーの平均値の定理」「コーシー・リーマンの関係式」などに彼の名が残っています。
彼はフランスのパリで生ましたが、生まれる直前に勃発したフランス革命での被害を避けるため、パリ郊外の小村で育ちました。13歳の頃に、一家は再びパリに戻り生活を始めました。
父親がナポレオン政権下で元老院書記職に就いたことで、コーシーはサロンの科学者達と親交を持つようになりました。その中には偉大な数学者ラグランジュがおり、コーシーの数学力に期待をかけ、コーシーのことを「未来の大数学者」と呼んだという逸話があります。
生涯
1826年に貧しい家庭に生まれたベルンハルト・リーマンは、19世紀でもっとも著名な数学者の一人で、ドイツ出身です。病身のため研究生活は短く、39歳で亡くなりました。
リーマンの名を持つ定理
特に、幾何学への貢献は大きく、彼の名を持つ定理が多くあります。以下に数例を挙げます。
リーマン幾何学
リーマン面
リーマン積分
リーマン予想
彼が残した一番有名なものは、素数の分布に関する問題でしょう。それは、”リーマン予想”と呼ばれています。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この問題の証明は非常に難しく、現在でも未だ証明されていません。7つあるミレニアム懸賞問題の一つで、その賞金額はなんと一億円です。(ミレニアム懸賞問題とは、アメリカのクレイ数学研究所によって2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のことです。)
リーマンの研究は先駆的で十分に理解されなかった
リーマンは、アーベル関数の研究によって当時の数学者から高く評価されましたが、その他の研究では、時代を先取りし過ぎていたため、当時の数学者には十分には理解されず、その研究分野が正統な評価をされたのは、20世紀になってからのことでした。
ガウスは微分積分学を用いる曲面の研究を大きく発展させました。測地学においても偉大な業績を残したガウスは実際の測量と並行するように曲面の研究も行い、曲面の球面表示を考え出しました。
ガウスの曲面論はリーマン(1826-1866)に受け継がれ、高次元の図形の理論へと一般化されました。さらにこのリーマンの幾何学はアインシュタインの一般相対性理論に適用されることになっていきました。
一般相対性理論が生まれる150年も前にガウスがその数学的な発想のもととなる考えかたを作り上げていたことに驚かされます。
オイラーの名前のついた方程式などはたくさんあります。その中でも高校生が目にしそうなものをいくつか以下に書いてみました。(累乗は^と表しています。)興味のある人は一度教科書やチャートを見てみましょう。
1:オイラーの多面体定理(数Aの教科書 空間図形)
任意の穴の開いていない多面体において,
(頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2
2:オイラー線(数Aのチャート 図形)
三角形の外心 O,重心 G,垂心 H は1直線上にあり,OG:GH=1:2
この直線をオイラー線といいます。
3:オイラーの定理(数Aのチャート 整数)
a^ϕ(n)≡1modna^ϕ(n)≡1modn (n は自然数,a は n と互いに素な整数)
ϕ(n) は n と互いに素な 1 から n−1 までの自然数の中で n と互いに素なものの個数を表し,オイラーの ϕ 関数と呼ばれます。
4:オイラーの公式(大学1年生で習います)
e^ix=cosx+isinx
自然対数の底 e,虚数単位 i,円周率 π が共存する非常に美しい等式です。
レオンハルト・オイラー 1707年-1783年
オイラーは、現在用いられている三角関数の記法や、三角形の角をA,B,Cとし、その対辺をa,b,cと表す記法を導入しました。また、和の記号Σや虚数単位i、自然対数の底eといった記号もオイラーに由来します。また、関数を f(x) のように書く表記もオイラーによるものです。
オイラーは多くの数学の分野で数えきれないほどの業績を残したのに加え、 力学など物理学分野でも重要な仕事を数多く成し遂げています。
オイラーは、18世紀ヨーロッパが生んだ史上最大と言っていい数学者・数理科学者で、彼の書いた本や論文は生前に出版されただけでもおよそ560編に上り、数学・物理学の発展に多大な影響を与えました。
ドイツ系スイス人ですが、ロシアとドイツの科学アカデミーで活躍しました。
ガウス(1777-1855)はドイツの有名な数学者です。数学ばかりでなく、物理学者でもあり、天文学者でもありました。
数学の教科書では、数Ⅲの「ガウス平面(複素数平面)」と「ガウス記号」、物理では、電気力線のところで「ガウスの法則」にガウスの名前がついています。高校の教科書の別の分野に3か所も登場するガウスはいったいどんな人だったのでしょうか。
ガウスは天才的な数学者でした。ガウスの業績は多岐にわたりますが、小学校の頃にあった有名な逸話があります。
ある時、1 から 100 までの数字すべてを足すように課題を出されました。それを彼は、1 + 100 = 101, 2 + 99 = 101, …, 50 + 51 = 101 となるので答えは 101 × 50 = 5050 だ、と即座に解答して教師を驚かせたそうです。数列を習っている現代の高校生には簡単なことかもしれませんが、小学生だったガウスが自分でこの問題を考えたところがすごいですね。それも即答だったようです。
ガウスの業績については、またの機会に。