コーシーは、フランスの数学者で、論理的に厳密な方法で微積分を展開した偉大な数学者です。
コーシーは、それまでの解析学での曖昧さを排除し、初めて微積分学の中に厳密姓を取り入れました。
皆さんが大学1年生で習うイプシロン-デルタ論法(ε-δ論法)のアイディアはコーシーによるものです。
この「ε-δ論法」により、解析学(微積分)全般の厳密な形式化が進行し、近代数学の基礎が築かれました。大学生になり「ε-δ論法」を習うときにはこの記事のことを思い出してみてください。
コーシーは、数Ⅲで習う「複素数平面」での積分やその応用の留数計算などの基本概念も編み出しました。
高校で習う「コーシー・シュワルツの不等式」や、大学1年生の数学で習う「コーシーの収束判定法」、その他に「コーシーの積分定理」「コーシーの平均値の定理」「コーシー・リーマンの関係式」などに彼の名が残っています。
彼はフランスのパリで生ましたが、生まれる直前に勃発したフランス革命での被害を避けるため、パリ郊外の小村で育ちました。13歳の頃に、一家は再びパリに戻り生活を始めました。
父親がナポレオン政権下で元老院書記職に就いたことで、コーシーはサロンの科学者達と親交を持つようになりました。その中には偉大な数学者ラグランジュがおり、コーシーの数学力に期待をかけ、コーシーのことを「未来の大数学者」と呼んだという逸話があります。